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Channel: スポーツナビ+ タグ:変
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変か不変か、蜂かロケットか

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 ■降格だけは避けたい…■  バレーボールのVリーグ女子は来季から、1部にあたるプレミアリーグのチーム数が10から8へと減ることが決定している。例年は下位2チームが2部上位チームとの入れ替え戦に回り、たいていはそこで勝利を収め1部に残留するのだが、今季終了後には少なくとも2チームが降格の憂き目に遭う。 なんとしても降格は避けたいとの思いから、オフの各チームの補強は例年以上に力の入ったものだった。北京五輪で銀メダルに輝いたアメリカ代表からは2枚看板のトム・ローガン(久光製薬)とハニーフ・タイーバ(パイオニア)が来日し、日本戦に活躍することで有名なコロンボ・レナタ(トヨタ車体)、2年前に久光製薬を王者へと導いたフォフィーニャ・アナパウラ(NEC)の両ブラジル人もやってきた。4年に一度の五輪が終了し選手が環境を変えやすいタイミングだったこともあるが、今季のVリーグのコートには世界トップクラスの選手が多く立っている。 ■コンビは一日にして成らず■ とはいえ、コンビが肝のこの競技、優良助っ人の獲得がすぐにはチーム力のアップにつながらない。事実、11月にシーズンが開幕してみると、スタートダッシュをかけたのはメンバーに変動がなかったチームだった。外国人選手も代表戦士もおらず、夏場に日本人選手だけでじっくりと熟成をすすめた武富士と岡山が開幕3連勝を飾り、主力の顔ぶれにまったく変化がなかったデンソーが1レグを8勝1敗で駆け抜けた。 一方でレフトエースのレナタが加入したトヨタ車体はレフトの今西郁瑠をライトに、ライトの高橋翠をセンターにまわした玉突きコンバートが落ち着くのに時間を要し、1レグは2勝7敗に終わる。スーパーエース、ハニーフの加入で栗原恵の守備面での負担が増えたパイオニアも不安定な戦いに終始し、連勝と連敗を繰り返した。フォフィーニャの加入の他にもセッター2枚の引退、主力の出遅れ等を抱えたNECも1レグは5勝4敗と波にのれず、序盤戦ではオフに動かなかったチームが上位を占めた。 ■2巡目の対戦、変わる風向き■  ところが、2レグに入ると風向きが変わる。首位をひた走っていたデンソーは先週末の2連戦をともにストレート負けで落とした。18日(日)の武富士戦はセッターの横山雅美が負傷により出場できず、セッター経験の浅い新人の鈴木裕子がトスを上げたため仕方ないとしても、17日(土)のパイオニア戦は栗原&ハニーフの強打の前になすすべなく完敗を喫した。1レグを勝ち越して終えた武富士と岡山も、2レグはここまでそれぞれ1勝3敗、2勝3敗と負けが込んでいる。固定メンバーで戦うということは、コンビの熟成がすすめやすい反面、相手チームにつかまりやすい危険性もはらんでいる。 ■親会社の不況もなんのその■ 対照的に、新布陣がフィットせずスタートでコケたチームは次々と調子を上げてきた。1レグで2勝しかできなかったトヨタ車体は年末の皇后杯制覇で自信をつかみ、2レグはここまで3試合で2勝。レナタ&都築有美子のレフト対角はリーグ屈指の破壊力を有し、不慣れなセンターに挑戦中の高橋も10日(土)のJT戦で5つのブロックを奪うなどパフォーマンスを上げている。 パイオニアは先週末の2連戦に2連勝、とりわけ18日(日)のJT戦では栗原がアタック決定率50%(17/34)、ハニーフが41.5%(27/65)と自慢の大砲が爆発しての勝利だった。職人・江口理代が引退した穴が懸念されたライトも、先発・細川麻美-救援・冨永こよみという若い2人の継投でカバー。日本代表の両センター(庄司夕起と多治見麻子)は健在で、どこからでも点が取れる魅力的な攻撃型チームができつつある。 そして、完全に波にのったのがNECである。2レグに入って4戦4勝、うち3戦はストレート勝ちと勢いが止まらない。新人(昨季は内定選手として出ていたため実質2年目)の内田暁子が大車輪の働きを見せ、国際大会で衰えを披露した高橋みゆきも国内ではまだまだトップクラス。大貫美奈子、内山みなみの引退で心配されたセッターも、青山学院大で内田の1年先輩にあたる秋山友美が落ち着いたトスワークを見せている。ここにきてエース格のサウスポー有田沙織が故障から復活してきており、この選手が万全になれば勢いはさらに加速するだろう。 ■いざ、中盤戦の天王山■ 今週末の24日(土)には東京体育館でデンソーとNECの首位決戦が行われる。Vリーグはレギュラーラウンドの上位4チームによるファイナルラウンドで1位を決めるため、レギュラーラウンド1位にそれほど意味はないのだが、中盤に差し掛かったリーグ戦のひとつの大一番であることは間違いない。京都・清水寺の森清範貫主は08年を象徴する漢字として“変”を揮毫したわけだが、混戦のリーグを抜け出すのは“不変”の代表格デンソーと“変”の代表格NECのどちらであろうか。

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